3
画像処理を実行するのは、CPU/DSPなどのプロセッサです。このプロセッサの能力で、画像処理/表示処理/入出
力制御の速度が決まります。従来1つのCPUで全ての処理をしていましたが、CV/XGシリーズでは4つのプロセッ
サを使って、画像処理/表示処理/入出力制御/カラー処理を実行します。
4つのプロセッサとは何か、またそのメリットを説明します。
DSPとはDigital Signal Processorの略で、デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッ
サであり画像処理に必須の高速演算を得意とします。CVでは画像処理専用に1GHzタイプ
を搭載。
①同様に、多様な表示処理には高速演算が必要です。1つのDSPで処理+表示両方を実行
すると処理時間に影響を与えるので、表示専用のDSPを搭載しています。
入出力制御をメインで担当し、各素子の指令をする役割です。
画像転送と同時にカラー処理を完了するカラー処理専用エ
ンジンを搭載しています。
3* 画像処理プロセッサについて
〈CV-5000シリーズメイン基板 4つのプロセッサ〉
1
2
3
4
① 画像処理専用DSP
② 表示処理専用DSP
③ 制御用RISC-CPU
④ カラー処理専用エンジン(名称:ACE-Ⅱ)
右のグラフは従来の1CPUシステムと「3+1」プロセッ
サシステムの画像処理負荷に対する処理時間の関係
を示すものです。画像処理負荷が大きくなる(カメラ
画素数が増える/処理が重くなる)程、4つのプロセッ
サの効果が出ていることが分かります。
下のグラフでは、画面表示/ダイアログ操作/通信な
どが、画像処理のメインである撮像+転送+画像処理
に影響を与えないことがわかります。
4つのプロセッサの分散/並列処理がポイントです。
〈画像処理負荷と処理時間の関係(代表例)〉
画像処理負荷(※)
処理時間,ms
従来の1CPUシステム
「3+1」プロセッサシステム
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
カメラ
〈従 来〉
CPU 出力
カメラ
〈CV-5000シリーズ〉
カラー
画像処理
エンジン
DSP
DSP
CPU 出力
画像処理自体のサイクル
に一切変動なし!
画面表示
撮像 転送 画像処理 撮像 転送 画像処理
ダイアログ操作
撮像 転送 画画画画画画画画画画像処理像処理像処理像処理像処理像処理像処理像処理像処理像処理 撮像 転送 画像処理
通信(画像データ出力など)
あなたの身近に潜む
克服事例集
人の目で見たら分かるけど、画像処理でトライしたら思いのほか難しい!
画像処理の経験があれば一度はこのようなケースに遭遇したことがあると思います。
身近に潜む難題をズバリ解決した克服事例集が、
今まであきらめていた課題解決の手助けをいたします。
ボトル外周の変形を検査します。
どこが変形しているかわかりますか?
成形時に起きてしまう打痕を検出したい
です。材質上表面のザラツキが消えず検査
が安定しないのですが、安定させること
はできますか?
ワーク有無および方向を判別します。テープ
内にワークがあるため不安定な画像ですが
しっかり検出できますか?
Case
3
Case
4
Case
1
Case
2
照明むらで検 査が 安定しません。設置は
あまり変えたくないのですが、画像処理側
で検査を安定させられないですか?
Vol.1
こんな検出どうしたらできるの!?
超難題
01
撮像素子CCD(ChargeCoupledDevice(電荷結合素子))は、画像を電気信号
に変換して取り出す半導体の素子です。大きさは縦横1センチメートル程度で、碁盤
の目のような格子状に並んだ小さな画素(ピクセル)からできています。この画素数
によって、検査精度が変わります。
画像処理入門 紙上セミナー
照明・レンズ選定の基礎から、検査アルゴリズムまでマスター基基礎礎 検検査査アルルゴゴゴリズズズズム
第1回 画像処理に最適な画像とは
画像処理を大きく分割すると、以下の4工程に分かれます。
この中で最も重要なのは・・・実は「撮像」です。最適な結果を得る為には、まずは最適な画像を映すことが必要です。
今回は、撮像のためのCCD/照明/レンズと、「前処理」について解説します。
撮像(絵を撮る)→転送(データを送る)→処理(前処理/計測処理実行)→出力(他の機器へ伝える)
コントローラ
対
象
物
照明
画像データ
判定出力
データ出力
前処理 判定・出力光
カメラ
{ {照明補正
2値化
フィルタ処理
色抽出処理など
エリアセンサ(面積)
パターンマッチング(形状)など
公差設定
計測処理
1. 撮像 2. 転送 3. 処理 4. 出力
撮像素子 CCD
レベル
255
明るさ
明
0暗
30 30 30 90
30
30
909090
90
90
9090
30
30
90
90 90 90
90
90
撮像素子CCDについて1
【画像を2500画素で表現した場合】
【画像処理フローチャート】
【明るさの256段階のイメージ】
目を拡大して濃淡レベル
値に置き換えました。全て
の画 素は0(黒)∼2 5 5
(白)のデータを持ってい
ます。このデータを使って
画像処理をします。
● 31万画素カメラ
640(X)×480(Y)画素
X 画 素
Y画
素 ● 200万画素カメラ
1600(X)×1200(Y)画素
● 500万画素カメラ
2432(X)×2050(Y)画素
(空白部は255階調)
あなたの身近に潜む
克服事例集
人の目で見たら分かるけど、画像処理でトライしたら思いのほか難しい!
画像処理の経験があれば一度はこのようなケースに遭遇したことがあると思います。
身近に潜む難題をズバリ解決した克服事例集が、
今まであきらめていた課題解決の手助けをいたします。
バネの変形検出
食品・薬品の印字検査
微細チップの個数カウント
&印字不良検査
Case
3
Case
4
Case
1
Case
2
Vol.2
こんな検出どうしたらできるの!?
超難題
あ
∼
困った…
変
形!?
何
個?
読
め
る?
何
枚?
緩やかな曲がりと細かな山谷があるバネ
外形上の微小な変形を検出したいのです
が…何か良い方法はあるでしょうか?
約1000個の微小チップ。個数カウントと
印字不良を1回の撮像で検査したいのです
が…できるでしょうか?
背景に光のムラがある文字の読み取りが
安定しません。何か良い解決 方法はない
でしょうか?
クッキーのカウント
乱反射のあるフィルム越しの不定 形なお
菓子 のカウント…どうやって解決できる
でしょう?
2
CV/XGシリーズの表示画面には、計測時間とト
リガ間隔という2つの時間が表示されます。
計測時間とは、撮像から判定結果確定までの
一般的な画像処理時間を示します。
トリガ間隔とは、トリガ入力を受付け可能な最
短時間であり、ダブルバッファ構造では、①撮像
+転送/②処理のうち長い方がトリガ間隔とな
ります。
■ ダブルバッファを反映させた場合の処理能力(トリガ間隔)は以下の計算で求められます。
■ CV-035M(倍速プログレッシブ)カメラ使用、シャッタースピード1/1000
(ただし、最短トリガ間隔はシャッタースピード+ 転送時間を下限とする)
トリガ間隔 = 表示処理時間 −(シャッタースピード+転送時間)
トリガ間隔 = 34ms −(1ms+16ms)= 17ms
【計測時間とトリガ間隔の違い】
【ダブルバッファ使用時の処理能力】
【例:表示計測時間(撮像開始から判定結果確定まで)が34msの場合】
カメラ
コントローラ
デジタル転送(LVDS)
①撮像完了と同時にCCDデータを
A/D変換して、デジタル信号として転送
②転送されたデータは一旦バッファメモリに書き込まれます。
③前の処理が終了次第、転送されたデータが
演算メモリ上に移動して処理されます。
ダブルバッファ部 :バッファメモリの書き込みと演算メモリの
画像処理が並列実行可能
CCD
A/D
変換
バッファメモリ 演算メモリ 画像処理部
撮像 転送 処理 撮像 転送 処理
1回目の検査 2回目の検査
撮像 転送 処理
撮像 転送 処理
1回目の検査
2回目の検査
撮像と
画像処理の
並列処理
従来比最大2倍の
検査が可能です
〈ダブルバッファ無しの従来構造〉〈CV-5000表示画像より〉
〈ダブルバッファ搭載のCV/XG〉
画像処理には、撮像→転送→処理→出力の4ステップが必要です。
従来、処理時間とはこの4ステップの内、出力を除く3ステップ分を示しますが、画像データを扱うバッファメモリを2
つ持っておくと、撮像+転送と画像処理を並列処理することができます。
CV/XGシリーズはこのダブルバッファ構造となっています。
2 * ダブルバッファ構造について
カメラ
コントローラ
撮 像 処 理転 送 出 力
1
コントローラの構造と特長
画像処理装置のハードウェアといえば、カメラとコントローラがあることは皆さんご存知ですが、
そのカメラとコントローラの中身に関してはご存知でしょうか?
本資料では、画像処理装置を検討 / 選定される上で知っていると役に立つハードウェアの構造的なポイン
トの内 4点、① ASIC 搭載カメラ/ ②ダブルバッファ構造 / ③ 4つのプロセッサ/ ④通信インターフェー
スを説明します。
CV/XGシリーズでは専用ASIC搭載の自社開発カメラを使用しています。
専用ASICを搭載することで画像取込範囲、処理領域、ゲイン調整、シャッタースピード、転送方式をコントローラ側
から、自由に設定することが可能です。これらの機能は、コントローラ側でなく、カメラ側が対応することではじめて
実現しており、設定を変更しても処理時間の上乗せもありません。これも専用ASIC搭載の効果です。
1*
1*
3 *
2 *
4 *
ASIC搭載カメラについて
ASIC搭載カメラについて
4つのプロセッサ
ダブルバッファ
通信インターフェース
〈従 来〉
カメラ カメラ
画像転送 画像調整指示
画像転送
コントローラ
コントローラ
カメラからの画像を処理するだけ
最適化した画像を指示してから受けとり画像処理
〈ASIC搭載〉
2
ウインドウごとにコントラスト 変 換 が
適用できるメリット
【ポイント】
位置計測
コントラストを下げる
欠損検査
コントラストを上げる
■ コントラスト改善例
②カラー濃淡処理によるコントラストアップ
カラーで取り込んだ画像を、画像 処理に適した白黒画像に変換する処理がカラー濃 淡 処理です。
白黒カメラでは得られないコントラストの高い画像を作ることが可能です。
③計測領域ごとのコントラストアップ
画像取り込み時のゲイン調整によるコントラストアップのほかに、CV-3000シリーズでは
「コントラスト変換」フィルタで計測領域(ウインドウ)ごとのコントラストの変換が可能です。
計 測 領域ごとに設 定できるため、画 像 全 体 の 変 換に比べて、より細かく画 像 処 理を最 適化
することができます。
ウインドウ単位で
コントラストが
改善できます
コントラスト変換
フィルタ適用前
コントラスト変換
フィルタ適用適用後
白黒カメラの例生画像 カラー濃淡処理画像
コントラスト変換 処理後
2つの異なる処理を同時に実行できる
コントラスト変 換前の画像(左図)は全体が暗くコントラストが 極めて低い 状 態です。この画像の上部に
対して、コントラスト変換フィルタを使 用すると右図のようになります。
コントラスト変換フィルタは部品表面のざらつきのコントラストを落として位置計 測を安定させながら、
欠損部分の検査はコントラストを上げて、検査を安定させるときなどによく使います。
あなたの身近に潜む
克服事例集
人の目で見たら分かるけど、画像処理でトライしたら思いのほか難しい!
画像処理の経験があれば一度はこのようなケースに遭遇したことがあると思います。
身近に潜む難題をズバリ解決した克服事例集が、
今まであきらめていた課題解決の手助けをいたします。
キャップのひけ・
ねりこみ検査
食品用小袋の
枚数カウント
金属板の欠け・
汚れ検査
Case
3
Case
4
Case
1
Case
2
Vol.3
こんな検出どうしたらできるの!?
超難題
あ
∼
困った…
このひけを検 出したいのですが、もとの
形状が邪魔してどうしても誤 検出が絶え
ません…どうにかして誤検出をなくせない
ものでしょうか?
金属板の欠けや汚れを検出したいのですが、
ヘアラインが邪魔してうまく検 出できま
せん。どうしたら良いでしょうか?
簡単な枚数カウントなんですが、袋の傾き
具合で光り方が変わるのが悪いらしく正しく
カウントできません。目視はコストがかかるし、
なんとかカメラで検出できないですか?
ボルトピッキング用
位置検出
ピッキングのためカメラで位置を検出して
いますが、ワークが重なったり傾きが変化
すると検出位置がずれてしまいます。正確
に検出する方法はないですか?
検
出
で
きる?
検
出
で
きる?
ピッキングできる?
何
個?
ひけ
偏光フィルタを使うと、フィルムなどの表面のてかり(ハレーション)を除去することが 可能です。
下の図は、キーボードに保護 用のフィルムが 施してあります。
左の画像は偏光フィルタを使 用していないため、ハレーションしています。
一方、右側の図は偏光フィルタを装 着しているため、ハレーションを除去することに成 功しています。
このように、偏光フィルタを使 用すると、「フィルム越しの印字 不良検 査」や
「キャリアテープ越しのチップの向きの確認」など、フィルムやテープ表面で
ハレーションしてしまう場合の検 査が安定してできることがよくあります。
はじめに
このようなご経 験をされたことはございませんか。
• ワーク表面のてかりが原因で、画像 処理がうまくいかない
• 外乱光の影響で画像 処理の検査が不安定になる、または誤 検してしまう
• 白っぽいワーク上の黄 色い汚れがうまく検出できない
• 油や薬品などのミストでレンズのメンテナンスに苦労している
今回は、以 上のようなご経 験でお困りの方にぴったりの情報をご提 供いたします。
ちょっとしたコツで検 出が安 定する、
現 場で培われたノウハウをご紹 介します。
現場で使える画像センサ
テクニック集
も う 失 敗 し な い!
フィルタ活用テクニック編
1
テクニック① 偏 光フィル タ
お一人に1台ずつ
ご用意するパソコンで
操作を体感!
XGセミナー用お客様PC+資料一式
体感セミナー
基礎から応用まで
わかりやすく・効率よく
習得していただけます!
講習会風景
講習会
VS7-0108
VISIA事業部
〒135-0091 東京都港区台場2-3-1トレードピアお台場 Tel 03- 3570- 0511 Fax 03- 3570- 0510
K2315U-0079-1
フリーダイヤル
0120-66-3000この商品に関する
お問い合わせは
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Copyright⃝C 2009 KEYENCE CORPORATION. All rights reserved.
仕様は改良のため予告なく変更することがあります。
04
■内容確認・お申込みはこちらへ キーエンスホームページ http://www.keyence.co.jp/gazoで をクリック!セミナー&講習会
【最新画像処理システム 体感セミナー/実機操作講習会のお知らせ】ぜひ、ご参加ください。
画像処理に最適な画像に加工する・・・「前処理フィルタの活用」4
画像処理の基本は、撮像・きれいな画像(=ピントの合ったコントラストのはっきり
した)を撮ることです。加えて前処理フィルタの活用により、検査内容に最適な画像
に加工ができます。傷検査・寸法計測などの本処理を設定する前に、撮像と前処理
を最適に行なうことで安定した検査ができる可能性が高まります。
【前処理を活用した画像変換事例】
リアルタイム濃淡補正フィルタ活用
フィルタ処理後画像
*ハレーションをカットして文字をはっきりと浮かび上がらせます。
フィルタ処理前画像
ぼかし+リアルタイム濃淡補正フィルタ活用
フィルタ処理後画像
*表面の浅い欠陥をはっきりと浮かび上がらせます。
フィルタ処理前画像
ぼかしフィルタ+コントラスト変換フィルタ活用
フィルタ処理後画像
*包材ムラをカットして正確にカウントできる画像にします。
フィルタ処理前画像
エッジ抽出X方向フィルタ活用
フィルタ処理後画像
*ネジ部形状をカットして、黒点のみ浮かび上がらせます。
フィルタ処理前画像
膨張
入力画像
2 5 9
4 9 3
0 1 2
収縮
2 5 9
4 0 3
0 1 2
最大濃度値
最小
濃度値
白が強調
黒が強調
前処理で代表的な処理は、各画素の持つ濃淡
データ(0∼255)を使って演算して注目画素
のデータを置き換える処理です。
左には、前処理の代表例である「膨張」と「収
縮」を使った際の画像の変化を書きました。
検査領域内全画素で変換処理を実行して、本
検査に最適な画像に置き換えます。
また、最近では複数画像からの画像演算を
使った高度な前処理も多く搭載されています。
次の項目では、高度な前処理を活用した画像
変換事例を紹介します。