4 章* SEMのしくみ ③ ∼SEMの真空系
SEMで真空引きが必要な理由
SEMは電子銃部、鏡筒部、試料室を高真空にして使用します。電子は気体分子とも散乱を起こすため、二
次電子の経路に気体があると試料に電子を上手く照射できません。さらに観察に使用する二次電子はエネ
ルギーが弱いため、気体の分子と散乱を起こすと検出器で捉えることができません。またフィラメントの周
囲に酸素があるとフィラメントはすぐに燃え尽きてしまいます。このような理由でSEM内部は高真空に保た
れています。
真空度と一次電子の経路
SEMの真空排気系
SEM内を真空にするために汎用SEMには粗引き用ポンプと高真空用ポンプの2台の真空ポンプが装備さ
れています。
SEMの真空排気系概略 ターボ分子ポンプの構造
粗引き用ポンプには、一般的に油回転ポンプが使われており、大気圧から1Pa程度まで真空引きを行いま
1Paから10 -3∼10 -5 Paまで真空引き
す。高真空ポンプには、油拡散ポンプかターボ分子ポンプが使用され、
を行います。高真空ポンプには、従来は安価な油拡散ポンプが多く使われていましたが、水冷が必要であ
る点や起動/終了に時間がかかる点、取り扱いによってSEM内が油で汚染されるといった問題から、最近
では高価なターボ分子ポンプを装備したSEMが増えてきました。
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粗引き用ポンプには一般的に油回転ポンプが使わ
れており、大気圧から1Pa程度まで真空引きを行いま
す。高真空ポンプには、油拡散ポンプかターボ分 子
1Paから10 - 3 ∼10 - 5 Paまで真空引
ポンプが使用され、
きを行います。
高真空ポンプには、従来安価な油拡散ポンプが多
く使われていますが、水冷が必要である点や起動/終
了に時間がかかる点、取扱によってはSEM内が油で
汚染されるといった問題点から、最近では高価なタ
ーボ分 子ポンプを搭載したS E Mが出てきました 。
(表1)
本体を小型化するために、試料室を下部に配置し
低重心化をするとともに、各構成部品を効率的に配
置しました。
ターボ分子ポンプでは、高速で回転する動翼に弾
また、真空排気系にターボ分子ポンプを採用した
かれた気体分子はその下の固定翼に送られ、固定翼
ことで水冷設備が不要となり、小型化と省電力化に
に沿って次の回転翼に送られます。これを繰り返す
寄与しています。
ことで順送りされ、粗引きポンプで吸い出されます。
(図5)
ターボ分子ポンプの原理と利点
SEMは電子銃から試料室までを高真空にして使
用します。SEM内を高真空にするために、粗引き用
ポンプと高真空用ポンプの2台の真空ポンプが装備
されています。 図4)
(
このターボ分子ポンプを搭載したSEMは、水冷のた
めの配管や冷却水循環 装置を必要としないという
利点があります。AC100Vの商用電源があれば設置
が可能となり、小型化とともに設置場所選定の自由
度を向上させています。また、ターボ分子ポンプは
消費電力が小さいことから、SEM全体の消費電力
を抑えることができます。
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粗引き用ポンプには一般的に油回転ポンプが使わ
れており、大気圧から1Pa程度まで真空引きを行いま
す。高真空ポンプには、油拡散ポンプかターボ分 子
1Paから10 - 3 ∼10 - 5 Paまで真空引
ポンプが使用され、
きを行います。
高真空ポンプには、従来安価な油拡散ポンプが多
く使われていますが、水冷が必要である点や起動/終
了に時間がかかる点、取扱によってはSEM内が油で
汚染されるといった問題点から、最近では高価なタ
ーボ分 子ポンプを搭載したS E Mが出てきました 。
(表1)
本体を小型化するために、試料室を下部に配置し
低重心化をするとともに、各構成部品を効率的に配
置しました。
ターボ分子ポンプでは、高速で回転する動翼に弾
また、真空排気系にターボ分子ポンプを採用した
かれた気体分子はその下の固定翼に送られ、固定翼
ことで水冷設備が不要となり、小型化と省電力化に
に沿って次の回転翼に送られます。これを繰り返す
寄与しています。
ことで順送りされ、粗引きポンプで吸い出されます。
(図5)
ターボ分子ポンプの原理と利点
SEMは電子銃から試料室までを高真空にして使
用します。SEM内を高真空にするために、粗引き用
ポンプと高真空用ポンプの2台の真空ポンプが装備
されています。 図4)
(
このターボ分子ポンプを搭載したSEMは、水冷のた
めの配管や冷却水循環 装置を必要としないという
利点があります。AC100Vの商用電源があれば設置
が可能となり、小型化とともに設置場所選定の自由
度を向上させています。また、ターボ分子ポンプは
消費電力が小さいことから、SEM全体の消費電力
を抑えることができます。
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