図解 簡単AFM入門(Vol.1)
SPMの種類と特長
走査型プローブ顕微鏡(SPM)とは・・・
走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)とは、試料(物質の表面)とプローブ(探針)との間に働く力を測定
して映像化する顕微鏡のことです。
走査型プローブ顕微鏡には、検出方法、検出対象によってさまざまなものがあります。ここでは、原子間力顕微鏡に先立ち、こ
れら走査型プローブ顕微鏡の種類についてご紹介します。
走査型トンネル顕微鏡 (STM :Scanning T unneling Microscope)
走査型トンネル顕微鏡は、導電性プローブを使用した走査型プローブ顕微鏡です。
プローブと試料に電圧をかけます。プローブを試料から約1nm以内に近づけると、試料から出た電子が、1nmのギャップを通り
抜けて(トンネル効果)プローブに入り込みます。このトンネル電流の強弱をもとに、試料の表面形状を測定します。
トンネル効果を利用するため、試料は金属、半導体などの電気を通すもの(導体、半導体)に限定されます。また、金属でも表面
の酸化などで電気が通りにくくなる等の問題があり、実際には真空中で測定する場合があります。
技術解説
なぜトンネル電流の強弱を測定することで、試料の高さが測定できるのか?
トンネル電流I(Z)とプローブと試料間の垂直距離Zが、指数関数の関係にあるためです。具体的な数値で説明すると、プローブと
試料間の垂直距離Zが0.1nm大きくなったとすると、トンネル電流I(Z+0.1nm)は元の電流I(Z)の約10分の1になります。ゆえに、
トンネル電流の強弱を測定することで、試料表面の高低が測定できます。
カンチレバ ー
プローブ
抵抗
トンネル電 流
トンネル電 圧
試料
試料表面
ナノスケールハイブリッド顕微鏡