2 章 * スポット径の使いかた
スポット径とは
SEMの分 解能は試料に照射される一次電子がどれだけ細く絞れるかに依存します。そのひとつの要素と
して加速電圧があり、加速電圧が高いほど高い分解能が得られることはすでに学びました。
これとは別に、SEMの電子光学系において絞りを用いて一次電子を細く絞る機構があり、スポット径調整
とよびます。
コンデンサレンズによるスポット径調整
コンデンサレンズは電子線をより大きな角度で収束することで、電子線を細くしています。この収束する角
度が可変できるようになっており、これが「スポット径」調整です。
収束する角度を大きくすると、電子線を小さく収束するとともに電子線周辺の収束しにくい電子を絞りで遮
断します。
スポット径調整と画像の関係
スポット径を小さくすると画像の分解能が高くなります。一方、スポット径を小さくすると絞りで遮断される
電子が増えて試料に照射される一次電子が減少するため、観察に利用する二次電子の発生量も減少して、
観察像のS/N比が悪くなります。
加 速電圧とは
高倍率スポット径小 高倍率スポット径大
(分解能が高い) (分解能が低い)
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3 章 * SEMのしくみ②∼SEMの電子光学系と検出器
S EMの構造
SEMはどのように電子ビームを照射し、信号を検出して画像を表示するのでしょうか。
ここでは、SEMの構造と画像表示の原理を学びます。
フィラメント
フィラメントは電子を発生する電子源です。電流による加
熱で電子を発生するため熱電子銃と呼びます。
ウェーネルト
ウェーネルトはグリッド電極とも呼ばれ、負の電圧(バイ
アス電圧)が印可されています。バイアス電圧により、フィ
ラメントから放出された電子を収束するレンズです。
アノード
ウェーネルトで収束された電子ビームを設定された加速電
圧に加速します。設定された加速電圧に応じた正の高電
圧が印可されています。
コンデンサレンズ
磁界が電子ビームを偏向する効果を利用した磁界レンズ
で、一般的には電磁石が使用されています。電子ビームを
さらに収束し、電子ビームを細くします。
対物レンズ
合焦位置を調整するレンズです。SEMのピント調整は対
物レンズに流れる電流を変えることで磁界を変え、電子
ビームが焦点を結ぶ高さを変えています。
走査コイル
磁界により電子ビームを偏向させ試料表面を走査します。
走査する範囲=観察倍率も走査コイルで調整します。
二次電子検出器
試料から発生した二次電子を検出し増幅します。検出器
先端には正の高電圧が印可され、2次電子を吸い寄せるこ
SEMの構造 とで多くの2次電子を捕捉します。
二次電子検出器で検出された二次電子は電気信号に変換・増幅されてデジタル処理されます。
走査コイルの走査周期と同期して二次電子の強弱を明暗の明るさで表示するとSEM像を表示することが
できます。
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